「日本の秘境」とも言われる吉野・天川村・十津川エリア。昔ながらの生活を体感できる農家民泊など、地元の人とふれあう滞在スタイルがおすすめ。
吉野・天川村・十津川には、桜の名所吉野山、谷瀬の吊り橋、みたらい渓谷、面不動鍾乳洞、十二滝などの観光スポットがあります。
大峯山から流れる山上川の下流域にある渓谷で、大小の滝が流れ落ちる巨石や奇石に囲まれた美しい景観は、四季折々の景色を楽しむことができます。 新緑が輝く春、水しぶきに川サツキが彩りを添える夏、近畿地方で随一と言われる秋の紅葉、山水画のような冬と、その美しさは四季を通じて訪れる人々を魅了しています。 約7キロメートルの遊歩道が川沿いに整備され、吊り橋からは滝を見下ろすことができます。 暑い夏でも心地よく歩ける遊歩道で、透き通る川や豊富な種類の木々がつくる大自然の景観と心地よさを感じながら爽やかに体を動かしましょう。 神秘的な淵は、エメラルドグリーンに輝いており、圧巻の美しさを誇ります。 渓...»
熊野川の源流ともなっている山上川のほとり、標高820メートルの冷涼な高地で、関西の軽井沢と呼ばれるほど、涼しく爽やかな気候が魅力です。 洞川温泉街は、大峯山・山上ヶ岳や女人大峯・稲村ヶ岳の登山口になっています。 大峯山は修験者が登る女人禁制の山で、夏には山上ヶ岳の蔵王堂を目指す参拝客や修験者で賑わいます。 温泉街は、修験道の隆盛とともに大峯信仰の登山基地として発展してきました。 町並みは、どこか懐かしく、純和風木造建築の旅館や民宿、土産物店、陀羅尼助丸を製造販売する店が立ち並び、昭和時代にタイムスリップしたような独特の雰囲気が楽しめます。 陀羅尼助(だらにすけ)は和漢薬の元祖と言われ...»
豊かな表情を見せる鍾乳石や石筍が神秘的で美しい鍾乳洞です。全長170mで、最大の洞穴は直径約5~6m、高さ10m以上です。 標高878mの高地に位置しており、洞内は一年中、8度の温度が保つ自然の冷蔵庫となっており、最深部には不動尊の石仏が安置されています。 洞川の里を見下ろす高台の地底に広がる鍾乳洞は、関西最大クラスの規模を誇ります。 洞内には、ドーム状の天井から鍾乳石が、地面からは石筍がのび、様々なオブジェを形成し、美しくも神秘的な地下宮殿が広がります。特に貴重なストロー鍾乳管(ストロー状の鍾乳石)が見られます。 「ドロッコ」という愛称のモノレールで向かうのも楽しみのひとつです。 ...»
天河神社とも呼ばれ、厳島、竹生島と並び日本三大弁財天のひとつです。弁才天女(市杵島姫命)、熊野権現、吉野権現が祀られています。 神仏習合の形態を今でも残しており、大峰山脈の最高峰である弥山の麓にある神社は吉野熊野中宮(吉野と熊野の中閒にあるため)あるいは吉野総社として、大峯修験の中心地としても知られました。 かつては修験者や高僧たちが集まる場所としても知られていました。特に弘法大師・空海が籠った後は、多くの人々が大峯参りや高野詣でとともに訪れるようになりました。 水の精である弁財天女は、音楽や芸能の神様としても有名です。現在も芸能関係の参拝が多く、京都の観世界で行われる能の奉納や、能面や...»
十津川(熊野川)に架かる生活用の吊り橋で、全長297.7メートル、川面からの高さは54メートルあり、生活用吊橋として日本一の長さを誇ります。 歩くたびにゆらゆらと揺れるためスリル感が人気を呼び、村の観光名所の一つとして知られています。 特に、ゴールデンウィークやお盆期間中は、一方通行規制が行われるほど大勢の人で賑わいます。 周囲を囲む山々と十津川の清流が織りなす景色を眺めながら、スリル満点の空中散歩が楽しめます。 1954年に架橋され、当時は日本一長い歩道吊橋でしたが、1994年に茨城県の竜神大吊橋にその座を譲りました。 吊り橋の中央部には幅約80センチメートルの板が、鉄線と30セン...»
一口大の酢飯にサバや鮭、小鯛などの切り身をのせ、防腐効果の高い香り豊かな柿の葉で包んだ押し寿司。箱を開けた時、几帳面に収まった寿司が印象的だ。江戸時代、保存がきかないサバなどの魚は、塩でしめられた状態で奈良に届いた。塩でしめられたサバをにぎり飯にのせて、柿の葉にくるみ、石を重しにして作ったのが始まりとされる。すし飯に使われているのは、粘りが弱く、ほどよい硬さを持ち、寿司米に好適といわれる滋賀県産の近江米“日本晴”。“サバ”は、古くから伝えられてきた柿の葉寿司の定番の味で、酢でしめたサバの切り身をのせたもの。青魚特有の風味が苦手な方は、あっさりと頂ける“サケ”や、淡泊でありながら滋味豊かな旨みの...»
イノシシの肉は特有の臭みがあるので、「しし鍋」作りの際は、ゴボウ・ネギ・ミズナ・キクナなどの香味野菜を多く入れ、薬味にショウガ、粉ザンショウなどを使い肉の臭みを消した上、味噌で煮込む。寒い夜には、「しし鍋」を食べると体の芯から温まる。奈良の山間部には昔から猪や鹿、熊など野生動物がたくさんおり、雑木の実などを食して人間と共存してきた。奈良には海が無いため、動物性タンパク源の乏しかった昔は狩猟が盛んで、猪肉・鹿肉は日常的に食べられ、頭数調整にもなっていたといわれる。...»
吉野地方の山野に自生する、豆科つる性の植物である葛(くず)の根を、吉野地方に江戸時代から伝わる「吉野晒」という製法で灰汁(あく)抜きし、デンプンを精製した純白の澱粉100%が“吉野本葛”。1キロの葛根からわずか100グラムしかとれない貴重なもので、美しい白色となめらかな口当たりが特長だ。また、一般的によく知られている“吉野葛”は、吉野本葛にさつまいもやじゃがいもなどを原料としたデンプンを加えたもので、どちらも吉野の特産品である。滋養効果の高い葛根湯や、葛もちや葛きりなどの食品や料理の他、吉野本葛を贅沢に使用した食品や化粧品も人気だ。葛という和名は、かつて大和国(現:奈良県)吉野川(紀の川)上流...»
滋養をたっぷりと含むしいたけは、山のだしと呼ばれるほどの旨みを含む。古来よりおいしく、健康に良い食べものとして愛されてきたしいたけは、生しいたけや乾しいたけとして各種料理の材料となり食卓に並んでいる。近年、外国産のしいたけも良く見かけるが、国産の新鮮で肉厚なしいたけの味、香りは格別。奈良県では、原木しいたけとして、味や香りが濃い椎茸栽培に取り組んでいる。以前は、しいたけをはじめエノキタケ、ヒラタケなど全て原木で栽培されていたが、原木栽培が産業として残っているのは今ではしいたけのみとなっている。 旬 3月 4月 5月 9月 10月 11月 ...»
奈良県から全国へ出荷されるたくさんの果実の中で、量、質ともに全国トップクラスのもののひとつに奈良の柿が挙げられる。まず「刀根早生(とねわせ)」が出荷され「平核無(ひらたねなし)」、「富有(ふゆ)」と12月まで柿の季節が続く。五條市西吉野町では最盛期には1日200トンもの柿が出荷されている。奈良の温度差のある気候や風土が、柿作りに適していたことがうかがえる。柿が赤くなると医者が青くなる、と言われるほど、ビタミンC、食物繊維、ポリフェノールなど体に良い成分が柿には多く含まれている。 旬 9月 10月 11月 12月 ...»
正岡子規の「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の句もあるように、奈良県の柿は、全国でも高い生産高を誇り、特に五條市西吉野地区は有名で、地区内には柿の形をした「柿博物館」も設置されている。その、奈良名産の干し柿を使って考案された、奈良らしいおしゃれで美味しい和風のパウンドケーキに仕上げた菓子が「柿ケーキ」。厳選した素材を使った手作りのケーキで、平城遷都1300年記念で行われた「奈良のうまいもの」に登録されている。水を使わずに柿の果汁だけで仕上げた柿ようかんを生地の真ん中に芯として、甘みが凝縮した干し柿を散りばめて種に見立て、本物の柿のヘタをのせ、柿そっくりの形に仕上げている。手焼きで丁寧に焼き上げた、...»
奈良の特産品といえる鮎。鮎は魚へんに占うと書いて「鮎」とするように、昔の人はこの魚を占いに使ったという。また、香魚と書いてあゆと読み、そのかぐわしい香りを、みずみずしい西瓜にたとえた。そして、春の遡上から秋の産卵までと、わずか1年でその一生をとじる鮎を年魚とも表現した。鮎を味わう料理には、はらわたを抜かずに姿のまま塩焼きにし、焼きたてをタデ酢で食べる「鮎の塩焼き」がある。また、素焼きにしたアユに練り味噌を付けて焼き目をつける鮎の魚田、姿寿司、甘露煮、はらわたの塩辛であるうるかなども人気がある。 旬 6月 7月 8月 鮎寿司 吉野山地の清流で育った天然のアユは、川の石に付いた藻を...»
奈良県で育てている地鶏で、赤みを帯びて、脂肪が適度にのったしまった肉質が特長。味には甘味があり、しっかりとした味の深みが鶏肉本来の味と評価される。たたき、塩焼き、鍋物、しゃぶしゃぶ、すき焼き、焼き鳥など、また、正肉から内臓、ガラまで、和洋中、幅広い料理に利用できる。 奈良県で戦前に飼育されていた「大和かしわ」は、京阪神で「肉質がよい」と名声を博し、愛知県、徳島県と並んで日本三大養鶏地と呼ばれた。しかし、終戦直後の飼料の配給統制により生産が著しく衰退したことに加えて、1960年以後、大量生産が可能で安価なブロイラーが急速に普及したため、飼育に手間のかかる大和かしわは姿を消した。 昔ながらの懐...»
きめ細かで色の濃い赤身の肉の中に上質な脂肪の霜降りが適度に入り、口の中ですっと溶ける甘い脂肪と、柔らかくジューシーな肉質が特徴の奈良が育てたブランド豚。 繁殖能力に優れたイギリス原産の白色豚「大ヨークシャー種」とデンマーク原産の白色豚「ランドレース種」を交雑した強靭な母と、産肉能力に優れたアメリカ原産「デュロック種」の父から生まれた子豚を、健康に育てている。きれいな水と澄んだ空気に恵まれた自然の中、飼育面積が広い開放的な豚舎で、専用に配合された飼料を与えられている。 しゃぶしゃぶをはじめとする鍋料理、豚カツ、ステーキ、生姜焼き、煮込み料理など、和洋中、幅広い料理で利用できるので、コクと甘み...»
その昔、下市町の2月のお祭りで売られた”すあめ”は、中にたくさんの空洞ができるので、年初めに「見通しが良い」という縁起物の飴だったそうだ。このなつかしい飴に滑らかさと優しい味わいを出すために、奈良県産本葛を加えたのが「葛飴」だ。奈良県産の本葛を練り込み、軽く、なめらかに、直火釜でじっくり焼き上げている。葛でんぷんは消化しやすく、解熱作用や血行を良くする作用が古くから知られており、風邪の時の栄養補給や赤ちゃんの離乳食には欠かせないものだった。「葛飴」のサクサクと軽くてほんのりとした上品な甘さ、なめらかな葛の口当たりに、心が癒される。夏場は溶けるため販売しないのでご注意。...»
「ゆべし」というと和菓子を思い出す方が多いと思うが、奈良県十津川村周辺に伝わる“柚べし”は、ゆずを上部を切った後、中身をくりぬき、味噌やくるみ、しいたけ、大豆など、様々な具材を詰め込み、藁などを巻いて日陰で1か月から半年ほど乾燥させて作る、昔ながらの保存食だ。現代では珍味として、そのまま薄く切って食べれば、ゆずと味噌の風味のマッチした味がお酒のおつまみにぴったり。ワインのお供として食べるときはチーズにのせて食べるのがおすすめだ。 古くからある料理で、江戸時代の料理書『料理物語』には、ゆべしの製法が酒のつまみとして記されています。奈良県の十津川ゆべしもこの製法を受け継いでいます。 十津川ゆべ...»
葛の根をつぶして水にさらしながら精製し、でんぷんを取り出したくず粉は、吉野地方のような良い水と冬の厳しい寒さがなくては作れない。また、讃岐地方特産の和三盆の原料は、熱帯地方のサトウキビとは別の種類で、香川県で栽培される竹蔗から取る。職人が昔ながらのやり方で練りをくり返し、独特の繊細な甘さときめ細かさ、口溶けのよさを生み出す。和三盆だけを押し固めた干菓子は京都や金沢のものも有名だが、明治15年(1882年)に創業の吉田屋の「西行桜」は、和三盆に吉野葛を加えており、スッと口の中でとろけるなめらかな舌触りが独特で、忘れられない。...»
伝統的町並みの美しい新町にあるナカコ将油は、明治10年(1877年)の創業伝統的な自家醸造蔵の形式を守る天然醸造醤油メーカーだ。ナカコの「濃口将油」は、国内産100%の大豆と小麦を使用した低塩仕込み。醤油を絞る圧力を通常の半分程度に抑えて旨味だけを取り出した、贅沢でまろやかな味わいだ。「昆布将油」は、北海道利尻昆布を使用。卵掛けご飯や刺身、鍋の隠し味にもこれ一本で味が決まる。「昆布溜り将油」は、さらに手間をかけているから旨味が濃厚で、肉・魚料理にかけるだけで照り焼きのような風味に。野外でのバーペキューや焼きおにぎりにも活躍する。...»