奈良茶飯は、米と炒った大豆を茶で炊いたもの。起源は、東大寺と興福寺の寺領から納められる上茶を煎じて、二番茶に塩を加えて米を炊き、一番茶に浸けて食べたと伝えられる。東大寺二月堂の修二会(お水取り)の練行衆の食事に茶がゆとともに献立の中に記録が残されており、僧坊では古くから食されていたが、江戸時代には庶民の間に広まり、各地に茶飯屋があったという。また、俳句の句会などでも昔から好んで食されてきた。炒った大豆の他に黒豆、カチグリなどを加えたものもある。
奈良茶飯(ならちゃめし)は、奈良県の伝統料理であり、炊き込みご飯の一種です。少量の米に、炒った大豆や小豆、焼いた栗、粟などの穀物や季節の野菜を加え、塩や醤油で味付けした煎茶やほうじ茶で炊き込んで作られます。しじみの味噌汁と一緒に食べることもあります。
茶飯の起源は奈良の興福寺や東大寺などの僧坊において始まり、当時は寺領から納められる貴重な茶を使っていました。毎年3月の東大寺の「お水取り」では、練行衆(れんぎょうしゅう)の献立に茶粥と共に「ゲチャ」と呼ばれる茶飯の原点となるものが提供されます。
奈良茶飯は元々は庶民の間に広まりませんでしたが、旅人がこれを江戸に持ち帰り、浅草寺周辺に奈良茶飯の店が多くできるなどして広まりました。その後、明治以降に再び奈良で人気が高まりました。
家庭で作る際には、大豆を炒る手間を省くために、節分の時期に出回るソフト炒り豆などを使用することもあります。炊飯器に米を入れ、ほうじ茶を注ぎ、豆を加えて炊き上げることが一般的です。
主な伝承地域:県内全域
主な使用食材:米、大豆、ほうじ茶、水