奈良公園にある周囲360メートルの猿沢池は、興福寺五重塔と池の柳が水面に映り、美しい風景を作り出します。
その美しさから南都八景のひとつに選ばれた名勝地でもあります。
猿沢池は、749年に興福寺によって作られた人工池で、万物の生命をいつくしみ、捕らえられた生き物を野に放つ宗教儀式「放生会」の放生池です。
北側には奈良県景観資産に指定されている五十二段と呼ばれる石段と興福寺五重塔、すべり坂があります。
中秋の名月の日には、「采女祭」という華やかな行事が行われます。雅楽が演奏されるなか、秋の七草で飾られた2メートルあまりの花扇、花扇使、ミスうねめ、ミス奈良を乗せた管絃船が猿沢池をめぐり、最後には花扇を池中に投じられる様子は、とても美しく印象的です。
神秘的な七不思議の謎に満ちた池としても知られています。
「澄まず、濁らず、出ず、入らず、蛙わかず、藻は生えず、魚が七分に水三分」
猿沢池の水は、決して澄むことも濁ることもなく、水の流入する川もなく、流出する川もないのに、水量は常に一定を保っている。
毎年多くの魚が放たれているので増える一方であるにもかかわらず、魚であふれる様子がない。水より魚の方が多くてもおかしくないような池。
実際には埋設した水路を通じて上流下流があり、最近では、藻のアオコが池に常に発生しており、水が緑色になっています。
猿沢池園地は市街地に近く、市民の憩いの場としても愛されています。
近鉄奈良駅から徒歩で5分
JR奈良駅から徒歩約15分