奈良公園の東端にある標高342メートル、面積33ヘクタールの芝生で覆われた若草山でおこなわれる山焼きは、古都奈良の春の訪れを告げる伝統的な行事です。
山腹が炎に包まれる様子は壮観で、夜空を燃え立たせる迫力は、まさに炎の祭典といえるほど、目を見張る美しい光景です。
毎年1月の第4土曜日に行われ、山麓では午後から様々なイベントや式典が行われます。
そして、山焼き直前には大きな花火が打ち上げられ、澄みきった冬の夜空に色とりどりの光が踊ります。
山焼きは、江戸時代以前から行われていたそうですが、正式な行事になったのは明治時代になってからで、夜間に行われるようになったのは明治後半からです。
山焼きは、例年午後6時前後から本格的に始まります。山が燃え上がるのは、開始後30分から1時間ほどです(年によって異なることがあります)。
江戸時代には、鶯塚古墳の三重目の頂上にある霊魂を鎮めるために、民間人が山を焼いていたことが多かったそうです。
そして、年に1度山を焼かなければ、何か不幸なことが起こるという迷信が広まり、ますます火点けが盛んになりました。
幕末には、東大寺や興福寺、そして奈良奉行所が立ち会って鶯塚古墳の鎮魂を含めて山を焼くようになりました。
山焼きは、山上古墳の鶯塚に葬られた霊魂を鎮めるための祭礼であり、また供養のためでもあったといえます。
JR・近鉄奈良駅からバス「春日大社本殿行き」で10分 → 春日大社本殿下車、山麓まで徒歩で5分
JR・近鉄奈良駅からバス「市内循環外回り」で8分 → 春日大社表参道下車、山麓まで徒歩で10分
奈良奥山ドライブウェイ「新若草山コース」