秋になって鈴なりの真っ赤な柿や、晩秋になった軒下につるされた干し柿は奈良の秋の風物詩。渋が抜けたつるし柿は一段と甘みを増し、上品な和菓子のよう。大根とニンジンの紅白なますに干し柿を刻んで入れたなますは、奈良の正月のおせちの定番のひとつ。なますに干し柿を入れたのは、砂糖の代用ともいわれている。すっぱい紅白なますの中に、干し柿の甘みが、なんとも言えず美味しい一品。柿なますは、「奈良のうまいもの」郷土料理にも選ばれている。
奈良県では、古くから大根と人参を使用した紅白なますが、正月の定番おせち料理の一つとして親しまれてきました。その中でも、干し柿を加えた「柿なます」は特に人気があります。
紅白の色合いは、水引を表し、平安の繁栄を願う意味が込められています。柿を加えることで、柿の甘みと旨味が加わり、味わい深い酢の物になります。
正月に食べられるなますは大根と人参を使ったものが一般的ですが、奈良のなますは特産の柿を使った「柿なます」が特徴です。干し柿を使うことが一般的ですが、生の柿を使ったものもあります。古くから正月に食べられる料理として親しまれています。
大根、人参、干し柿を酢で和えたシンプルな料理ですが、柚子の皮を千切りにして飾ることもあります。干し柿は砂糖の代わりに使われており、酸味のある紅白なますに柿が加わることで、食べやすく美味しくなると言われています。
主な伝承地域:県内全域
主な使用食材:大根、人参、干し柿、酢