創建年代は680年で、法相宗の大本山であり、南都七大寺の一つとして、古刹としても有名な仏教寺院です。
ユネスコによって世界文化遺産「古都奈良の文化財」の構成資産の一つとしてに登録されています。
建立の背景には、天武天皇の皇后病気平癒を祈願するための思いが込められています。
大伽藍は、当時日本随一の壮麗さを誇り、金堂や塔のたたずまいは「龍宮造り」と呼ばれるほど美しかったそうです。
710年の平城遷都に伴い、718年に飛鳥の藤原京から平城京に移されました。その後、973年の火災、1528年の戦国時代の兵火など、数多くの災害により、奈良時代の建物は東塔以外は失われましたが、現在は復興されています。
本尊である薬師如来像と日光菩薩像、月光菩薩像の薬師三尊の像(国宝)は、奈良時代仏教彫刻の最高傑作の一つとされ、金堂にて祀られています。
この薬師如来像の台座には、ギリシャの葡萄唐草文様、ペルシャの蓮華文様、インドから伝わった神の像、中国の四神(青龍、朱雀、白虎、玄武)が彫刻されており、奈良の国際性を表しています。
金堂は1528年に焼失し、その後400年近くの間は仮堂のままで、1976年に白鳳時代様式の本格的な金堂が復興しました。
東塔は現在残る建築物の中で唯一の奈良時代(7 - 8世紀)の建築物であり国宝に指定されています。
総高34.1メートル(相輪を含む)であり、屋根の出が6か所にあり、一見六重の塔に見えますが、下から1・3・5番目の屋根は裳階(もこし)であり、構造的には三重の塔となっています。
他に類例のない意匠を示し、塔の先端部の相輪にある青銅製の水煙(すいえん)には、奈良時代の高い工芸技術を現代に伝える飛天像が透かし彫りされています。
また、東院堂も国宝であり、鎌倉時代の1285年に再建されました。境内の東側、回廊の外に建ちます。
元明上皇の冥福を祈るために、吉備内親王が建立した東禅院が前身です。堂内の厨子には、本尊の聖観音立像が安置されています。
聖観音立像は蝋型鋳造による銅像で、像高188.9センチメートル。製作年代については飛鳥時代後期(白鳳期)または奈良時代(7 - 8世紀)とされ、国宝に指定されています。
薬師寺は、敷地内で聞ける説法が面白く、人気があります。また、写経道場もあり、いつでも写経の体験ができます。
8:30~17:00
【大人】500円 *中・高生400円、小学生200円 *玄奘三蔵院伽藍公開期間中:大人800円、中・高生700円、小学生300円
近鉄西ノ京駅から *下車すぐ