奈良公園内の東大寺大仏殿の北北西に位置する、校倉造りの大規模な正倉(高床倉庫)です。
759年頃に建てられたこの宝物庫は、今もその姿を保ち、戦火や天災で被害を受けることなく現代に伝えられています。
聖武天皇や光明皇后ゆかりの品をはじめ、天平文化(8世紀の中頃までをいい、奈良の都平城京を中心にして華開いた貴族・仏教文化)を中心とした美術工芸品が所蔵されていました。
宝物の9割以上は、日本で作られた異国風のデザインが採用されたものです。ただし、中国(唐)や西域、ペルシャなどからの輸入品も多くあり、シルクロードの東の終点とも言われています。
絵画・書跡・金工・漆工・木工・刀剣・陶器・ガラス器・楽器・仮面などの古代の美術工芸の粋を集めた文化財の一大宝庫です。
一年に一度、秋に奈良国立博物館での「正倉院展」で公開されます。
現在は宝物は最新式の宝庫に移されたため、正倉院の中には何もありませんが、その建物自体が一つの貴重な宝物です。
寄棟造の屋根と瓦葺きの外観を持ち、正面約33.1メートル、奥行き約9.3メートル、床下の柱の高さは約2.5メートルです。
江戸時代以前は、朝廷の監督の下、東大寺によって管理されていましたが、1875年には収蔵されていた宝物の重要性に鑑み、内務省で管理することとなり、現在は宮内庁にて管理しています。
正倉院とは、もともとは院の主要な倉庫の一部を示す名称でしたが、現在では、東大寺境内のみを指すようになっています。
10:00~15:00
正倉院展期間中 10:00~16:00
月曜・土曜・日曜
祝日・振り替え休日
年末年始
正倉院展期間中は無休
無料(外観のみ公開)
近鉄:「奈良」駅から徒歩20分
奈良交通バス:「今小路」下車徒歩5分