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寧楽美術館

(ねいらくびじゅつかん)

日本庭園に併設の東洋美術品の宝庫

寧楽美術館は、奈良県奈良市に位置する、国指定の名勝に指定されている日本庭園「依水園」の中に併設された美術館です。奈良県の登録博物館のひとつです。

本美術館は、明治時代から昭和にかけて海運業で成功を収めた中村家の三代にわたる蒐集活動によって収められた貴重な美術品を展示する施設です。特に、中村準策・準一・準佑の三代が収集した1万点以上に及ぶ美術品の中から、戦災を奇跡的に免れた約2,000点余りが現在も大切に保管され、公開されています。

収蔵品の特徴

寧楽美術館の収蔵品には、中国の青銅器、古鏡、古銅印、拓本、高麗・李朝・日本の陶磁器など、東アジアの優れた美術・工芸品が豊富に含まれています。特に注目されるのが、田能村竹田による名画帖「亦復一楽帖(またまたいちらくじょう)」であり、これは国の重要文化財にも指定されています。春のお水取り、秋の正倉院展の時期にあわせて、特別公開されることもあります。

歴史的な背景と建築

寧楽美術館の設立は、1940年にさかのぼります。中村準策が隣接する名勝庭園「依水園」を1939年に購入し、翌年に美術館を設立。一般公開が始まったのは1958年、三代目・中村準佑の時代でした。現在の展示館は、建築家・東畑謙三によって設計され、1969年に竣工されました。

名称の由来と読み方

「寧楽(ねいらく)」という名称は、「なら」の古称である「寧楽(なら)」に由来しています。しかし、「ならびじゅつかん」と読まれると「奈良県立美術館」と混同される可能性があるため、あえて「ねいらくびじゅつかん」と読むことにされています。

アクセス情報

最寄り駅である近鉄奈良駅からは、徒歩で約15分。寧楽美術館と依水園は、共通券での入園が可能であり、美術館と庭園の両方をゆったりと楽しむことができます。

依水園

国の名勝に指定された日本庭園

依水園は、奈良市にある美しい池泉回遊式庭園で、国の名勝にも指定されています。園内は「前園」と「後園」に分かれており、それぞれ異なる時代背景と景観を持っています。

前園と後園の特徴

前園は、寛文12年(1673年)に晒職人・清須美道清によって作庭されたもので、茶室「三秀亭」が象徴的な存在です。一方、後園は明治時代に実業家・関藤次郎が築いた築山式庭園で、裏千家十二世又妙斎宗室が作庭を手がけました。後園は、若草山や東大寺南大門を借景に取り入れるなど、「寧楽の都」をモチーフにした壮大な景観が魅力です。

また、両園ともに大和川の支流である吉城川(よしきがわ)の清流を取り入れており、自然と調和した静謐な空間が広がっています。

依水園の名称の由来

園名「依水園」の由来については複数の説があります。一説には、庭内の池が吉城川の水に依存しているためとも言われています。他にも、池の形が草書体の「水」の字に似ていることから名付けられたという説や、杜甫の詩句「名園緑碌水」にちなんでいるという説などもありますが、明確な起源は定かではありません。

園内の主な建造物

まとめ

寧楽美術館と依水園は、美術と自然、歴史と文化が見事に調和した奈良市を代表する観光名所です。どちらも中村家による深い美意識と文化への理解に支えられ、長年にわたり保存・公開されてきました。奈良を訪れる際には、ぜひこの二つの文化財を訪れ、四季折々の美しさと歴史の重みを感じてみてください。

Information

名称
寧楽美術館
(ねいらくびじゅつかん)
リンク
公式サイト
住所
奈良県奈良市水門町74 依水園
電話番号
0742-25-0781
営業時間

9:30~16:30

定休日

毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は開園し、翌平日に休園)
年末年始・庭園整備期間:12月末~1月中旬

料金

依水園・寧楽美術館
一般 1,200円
大学生 500円
高校生 500円
中学生 300円
小学生 300円

駐車場
なし
アクセス

近鉄奈良駅から徒歩で15分

JR・近鉄奈良駅からバスで6分

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