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若草山

(わかくさやま)

芝生に覆われた三つ重ねの山

若草山は、奈良県奈良市の東部、奈良公園の最東端に位置する標高342メートル、面積約33ヘクタールの美しい山です。山全体がなだらかな芝生で覆われており、奈良の代表的な景観のひとつとして古くから多くの人々に親しまれています。

山頂には前方後円墳である鶯塚古墳が存在し、このため山を「鶯山(うぐいすやま)」と呼ぶこともあります。また、山が三段に分かれて重なって見える様子から「三笠山(みかさやま)」の別称もあり、古くはこの名で詠まれた和歌も数多く残されています。

なお、若草山は、ユネスコ世界文化遺産「古都奈良の文化財」のひとつである春日山原始林に隣接しており、古都奈良の自然と文化を象徴する地として観光客に高い人気を誇ります。

山の構造と登山

若草山は3段の丘陵から成っており、それぞれが以下のように呼ばれています:

山麓から山頂までは整備された登山道「若草山登山道」が設けられており、途中には休憩所や展望スポットもあります。入山には料金が必要で、南北2ヶ所の有料ゲートのほか、二重目と三重目の間にも料金所が設置されています。

芝生とノシバの生態

若草山の芝は「ノシバ」と呼ばれる日本固有の芝草で、近畿地方ではこの若草山周辺にしか自生していない貴重な植物です。ノシバの種子は堅い殻に守られており、奈良公園のシカが種を食べても消化されず、排泄された種が再び地面に落ちて発芽するという、自然の営みが保たれています。

このようにシカとの共生によって維持されているノシバの草原は、若草山の風景に欠かせないものであり、近年では地元自治体やボランティアによって保護・拡大の取り組みが進められています。

若草山の山焼き ― 冬の風物詩

山焼きの由来と歴史

若草山の山焼きは毎年1月に行われる伝統行事で、奈良の冬を彩る風物詩です。起源については諸説ありますが、江戸時代にはすでに行われていたとされ、特に山頂にある鶯塚古墳の慰霊を目的として始められたとする説が有力です。

また、「山を焼かないと不吉なことが起こる」という迷信から、かつては多くの人々が勝手に山に火を点けたこともありました。そのため、奈良奉行所は放火禁止の命令を出しましたが効果は薄く、幕末に東大寺、興福寺、奈良奉行所の三者が協力し、正式な儀式として山焼きを行うようになった経緯があります。

現代の山焼きと開催日程

現在の山焼きは、例年1月の第4土曜日に開催されています。これは以前行われていた成人の日の前日から移行されたもので、天候によっては翌週に順延されることもあります。

午後6時前後から本焼きが始まり、その前に約10分間の華やかな花火打ち上げも行われます。この花火と山焼きの炎の共演は、訪れる人々に大きな感動を与えるとともに、奈良の夜景の魅力を一層引き立てています。

関連行事と見どころ

山焼き当日は、奈良市内で様々な関連イベントも催されます。また、過去には奈良市民が正月飾りを持ち寄って「とんど」として焚き上げる風習も行われており、現在は春日大社で「春日の大とんど」として受け継がれています。これらの伝統行事は、奈良の文化と季節感を体験できる貴重な機会です。

観賞に適した場所

若草山の山焼きは奈良市街地をはじめ、奈良盆地北部の広範囲から観賞が可能です。中でも人気の観賞スポットは以下の通りです:

また、遠方では大和郡山の商業施設の屋上、橿原市、御所市、さらには生駒山上や宝山寺からも観賞ができるため、多くのカメラマンや観光客が訪れます。

まとめ

若草山は、古都奈良の自然、歴史、信仰が凝縮された特別な場所です。ノシバの生態系やシカとの共生、そして毎年冬に行われる山焼き行事を通して、訪れる人々に深い感動と学びを与えてくれます。奈良を訪れる際には、ぜひ若草山の豊かな魅力を体感してみてはいかがでしょうか。

Information

名称
若草山
(わかくさやま)
リンク
公式サイト
住所
奈良県奈良市春日野町
電話番号
0742-22-0375
営業時間

9:00~17:00

定休日

開山期間
3月第3土曜日〜12月第2日曜日まで

料金

入山料
大人(中学生以上)150円
小人(3歳以上)80円

アクセス

JR・近鉄奈良駅からバス「春日大社本殿行き」で10分 → 春日大社本殿下車、山麓まで徒歩で5分

JR・近鉄奈良駅からバス「市内循環外回り」で8分 → 春日大社表参道下車、山麓まで徒歩で10分

奈良奥山ドライブウェイ「新若草山コース」

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