川上村は、奈良県の南東部に位置する自然豊かな村であり、古くから吉野杉を育む「吉野林業」の中心地として知られています。村全体が緑に包まれ、豊かな水と森林資源に恵まれているこの地域は、静寂な山間の中で歴史と文化、自然の美しさを今に伝える貴重な場所です。
川上村は、西に大峰山脈、東に台高山脈を抱え、その間を流れる吉野川(紀の川)の源流域にあたります。特に、大自然の宝庫として名高い大台ヶ原山の北西に位置しており、美しい渓流や深い森が広がっています。
村内には、水資源を活用した大迫ダムや大滝ダムが整備されており、水力発電や治水、生活用水として地域社会に重要な役割を果たしています。また、2016年には「水源地を守ることの大切さ」を伝える条例が制定され、毎年11月16日を「源流の日」として、日本記念日協会に登録されました。この日は2014年に奈良県で開催された「全国豊かな海づくり大会」に由来しています。
川上村には、天神窟(てんじんくつ)や水晶の窟、不動窟などの神秘的な鍾乳洞が点在しており、探検気分で楽しむことができます。地中に広がる自然の芸術ともいえるこれらの洞窟は、訪れる人々に深い感動を与えます。
また、村の南東部に位置する三之公付近には、湯が川(三之公川)の岩の裂け目から天然の温泉が湧き出しています。かすかに硫化水素の香りがする泉質は、地中深くからの恵みを感じさせます。特に、入之波温泉(山鳩湯)や迫(湯盛温泉)は源泉温度が30度を超えており、入之波温泉では、茶褐色に濁った39度のお湯をゆったりと楽しむことができます。
川上村は、縄文時代の遺跡である宮の平遺跡(現在は大滝ダムの湖底)などが発見されており、古代から人々の暮らしが営まれていたことがわかります。平安時代には、惟喬親王(これたかしんのう)がこの地を訪れ、地元の人々に木地師の技術を伝えたという言い伝えも残っています。
さらに、室町時代には後南朝の拠点のひとつとして、自天王(北山宮)と忠義王(河野宮)が三之公(神之谷)を本拠地とし、ここで長禄の変が起こりました。この歴史を今に伝えるため、毎年2月5日には、「朝拝式」という儀式が金剛寺で厳かに執り行われ、自天王が用いたとされる兜などが拝されています。500年以上も続くこの伝統は、村の歴史を象徴する重要な文化財といえます。
川上村には、多くの名所・旧跡があります。中でも注目されるのが以下のスポットです。
川上村では、豊かな自然を活かした観光施設が整っており、訪れる人々に癒しと楽しみを提供しています。
川上村では、「朝拝式」という特別な式典が毎年2月5日に金剛寺で行われています。これは、自天王の命日を偲び、村の人々が祈りを捧げる行事であり、500年以上の歴史を持つ重要な伝統行事です。時を越えて受け継がれるこの式典は、地域の誇りと信仰心を象徴しています。
川上村は、自然と文化、歴史が織りなす素晴らしい地域です。都会の喧騒を離れ、静かな山村で過ごすひとときは、きっと心に残る体験となるでしょう。訪れるすべての人に、やすらぎと学び、そして感動を与えてくれる川上村へ、ぜひ一度足を運んでみてください。