奈良県 > 吉野・天川村・十津川 > 民俗資料館(五條市五條地区)
民俗資料館は、奈良県五條市新町に位置し、幕末から明治維新にかけての激動の歴史を今に伝える貴重な施設です。建物は江戸時代末期の五條代官所の長屋門であり、歴史的価値の高い文化遺産として大切に保存・活用されています。五條のまちが歩んできた歴史を身近に感じられる場所として、多くの人々に親しまれています。
もともと五條代官所は、現在の五條市役所が建つ場所に設置されていました。しかし文久3年(1863年)、幕末の尊王攘夷運動の一つである天誅組大和義挙によって焼き討ちに遭い、建物は全焼してしまいます。その後、元治元年(1864年)10月、現在の奈良地方裁判所五條支部の位置に代官所が再建されました。
明治維新後は五條県庁として引き継がれ、一時は警察大屯所としても使用されました。明治10年(1877年)には五條区裁判所となり、司法施設としての役割を果たし続けています。このように、建物とその周辺は時代の変化とともに姿を変えながら、五條の中心的な行政の場であり続けました。
昭和46年(1971年)、裁判所改築の際に正門であった長屋門と広場が五條市へ譲渡されました。広場は史跡公園として整備され、長屋門は昭和49年(1974年)に民俗資料館として開館しました。以来、市民の憩いの場、そして学びの場として長年親しまれてきました。
しかし老朽化のため一時閉館となります。平成15年(2003年)、天誅組義挙から140年の節目を迎えるにあたり、若き志士たちの志を顕彰し、犠牲となった人々を追悼するとともに、五條で起こった重要な史実を後世へ伝えるため、史跡公園とともに大規模修繕が行われました。こうして資料館は新たな姿で再出発を果たしました。
館内では、天誅組隊士の肖像画や足どりをたどる写真、年表などの資料が展示され、幕末の動乱期をわかりやすく学ぶことができます。また、天誅組義挙について解説するビデオも上映されており、歴史に詳しくない方でも理解を深められる内容となっています。
春には史跡公園が桜の名所となり、園内には「明治維新発祥之地」の記念碑が建立されています。歴史を学びながら四季折々の自然も楽しめる点は、この施設ならではの魅力です。さらに、館内は研修会や学習会の会場としても利用されており、地域の歴史教育の拠点として重要な役割を担っています。
寛政7年(1795年)に設置された五條代官所は、文久3年(1863年)に天誅組によって焼失しました。その後、元治元年(1864年)に移設再建され、明治元年(1868年)に五條県庁へ引き継がれます。明治10年(1877年)には五條区裁判所となり、昭和46年(1971年)に長屋門が五條市へ譲渡されました。昭和49年(1974年)に民俗資料館として開館し、平成15年(2003年)にリニューアルされています。
所在地は奈良県五條市新町3丁目3番1号です。JR和歌山線五條駅から徒歩約15分とアクセスも良好です。電話番号は0747-22-0450。歴史と文化に触れながら、五條の歩みを体感できる貴重な施設として、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。