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五條市

(ごじょうし)

奈良県南西部の要衝

五條市は、奈良県南西部に位置する南和地域の中心都市です。西は和歌山県、北西は大阪府と接し、大和と紀伊を結ぶ交通の要衝として古くから発展してきました。市内には奈良時代の寺院や南北朝時代ゆかりの史跡、江戸時代の町並みなど、各時代の歴史遺産が数多く残されています。また、日本一の柿の産地としても知られ、丘陵地に広がる果樹園の風景は五條ならではのものです。

地理と自然環境

五條市は吉野川(和歌山県側では紀の川)流域に広がり、市の中央を吉野川が西へと流れています。北には金剛山系、南には大峰山系が連なり、山々に囲まれた地形が特徴です。市域は南北に長く、北部には市街地や住宅地、工業団地が広がり、南部には果樹園や森林、山岳地帯が広がります。少し市街地を離れると急坂や山道が続き、豊かな自然に包まれた風景が広がります。

地域区分としては中央地域、北東部地域、南部地域、西部地域、西吉野・大塔地域の5つに分けられています。特に西吉野や大塔地域は山深く、四季折々の自然美が際立つエリアです。

歴史の舞台としての五條

五條市は古代の宇智郡にあたり、延喜式内社である宇智神社や阿陀比売神社など由緒ある神社が鎮座します。奈良時代には藤原武智麻呂が創建した榮山寺が建立され、国宝「八角堂」や名鐘が今日まで伝えられています。

南北朝時代には、南朝の本拠地・吉野が陥落した後、後村上天皇が賀名生(あのう)に行幸し、一時的に南朝の皇居が置かれました。賀名生皇居跡は今も静かに歴史を語り継いでいます。

江戸時代には松倉重政が五條藩を治め、新町通りを中心に城下町が整備されました。その後は幕府直轄地となり、五條代官所が設置され、南大和支配の拠点として栄えました。旧紀州街道沿いの町並みは今も往時の姿を残し、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

幕末の1863年には天誅組が五條代官所を襲撃し、倒幕運動の先駆けとなる「天誅組の変」が起こりました。櫻井寺はその本陣跡として知られています。

歴史と文化を感じる名所

五條新町通り

1608年に城下町として整備された新町通りは、江戸時代の町家が軒を連ねる情緒あふれる通りです。栗山家住宅(重要文化財)をはじめ、白壁や格子戸の美しい建物が残り、歴史散策に最適なエリアとなっています。

榮山寺

719年創建と伝わる古刹で、国宝の八角堂は奈良時代建築の傑作です。吉野川を望む境内は四季折々に美しく、静かな時間を過ごすことができます。

賀名生梅林と皇居跡

西吉野町に広がる賀名生梅林は、約2万本の梅が丘陵を覆う関西屈指の梅の名所です。2月下旬から3月下旬にかけて、白や淡紅色の花が雲海のように広がります。近くには南朝ゆかりの賀名生皇居跡があり、歴史と自然を同時に感じられます。

柿博物館

日本一の柿の産地である五條市ならではの施設です。柿の歴史や品種、加工品について学ぶことができ、子どもから大人まで楽しめます。

大塔コズミックパーク「星のくに」

天文台やプラネタリウムを備えた施設で、澄んだ夜空に広がる星々を観察できます。自然に囲まれた宿泊施設や温泉もあり、ゆったりとした時間を過ごせます。

自然とアウトドアの楽しみ

五條市は吉野川を中心に自然レジャーが充実しています。鮎釣りや川遊び、キャンプなどが楽しめるほか、金剛山系や大峰山系でのトレッキングも人気です。宮の滝は落差約40メートルの三段滝で、新緑や紅葉、冬の氷瀑と四季折々の表情を見せます。

祭りと伝統行事

陀々堂の鬼走り

毎年1月14日に行われる火祭りで、父鬼・母鬼・子鬼が松明を振りかざして堂内を走り回り、災厄を祓います。国の重要無形民俗文化財に指定されています。

吉野川祭り

8月15日に開催される夏の一大イベントで、約4,000発の花火が夜空を彩ります。多くの夜店が並び、市内外から多くの人が訪れます。

流し雛や阪本踊り

春の流し雛、夏の阪本踊りなど、地域ごとに伝統行事が受け継がれています。篠原踊りや惣谷狂言も奈良県無形民俗文化財に指定され、今も大切に守られています。

日本一の柿のまち

五條市は柿の生産量が日本一を誇ります。秋には西吉野地域を中心に、朱色に実った柿が丘陵一面を彩ります。柿はビタミンやポリフェノールを豊富に含む栄養価の高い果物で、直売所や柿狩り体験も人気です。

産業と地域の活力

農業や畜産業が盛んなほか、住川町には「テクノパーク・なら」が整備され、機械・金属、製薬、食品など多様な企業が操業しています。自然と産業が調和した地域づくりが進められています。

五條市の主な観光地

歴史・文化を感じるスポット

五條新町通り(重要伝統的建造物群保存地区)
栗山家住宅(重要文化財・日本最古級の民家)
まちなみ伝承館
まちや館(木村篤太郎生家)
五條市立文化博物館(愛称:ごじょうばうむ)
五條市民俗資料館(旧五條代官所長屋門)
栄山寺(国宝・八角堂、梵鐘)
金剛寺
大澤寺(瀬の堂の薬師さん)
転法輪寺(高野山真言宗)
十輪寺
櫻井寺(天誅組本陣跡)
御霊神社(本宮)
如意寺(辯天宗総本山)
生蓮寺(安産祈願の寺)
宇智神社
阿陀比売神社
賀名生皇居跡
賀名生の里歴史民俗資料館
大塔村郷土館

自然・景勝地

吉野川(キャンプ・鮎釣り・川遊び)
宮の滝(三段の名瀑)
金剛山系(中葛城山・高谷山・神福山)
大峰山系(明星ヶ岳・七面山)
賀名生梅林(約2万本の梅)
一の木ダム
猿谷ダム
猿谷あいあい公園
ふるさとの森公園
高野辻ビューポイント
二見の大ムク(国指定天然記念物)
阿田峯公園
上野公園(ベストライン上野パーク)

体験・レジャー施設

大塔コズミックパーク「星のくに」(天文台・プラネタリウム・宿泊施設)
道の駅「吉野路大塔」
西吉野温泉
大塔温泉「夢乃湯」
リバーサイドホテル・金剛乃湯
赤谷オートキャンプ場(森乃湯)
柿博物館(果樹・薬草研究センター)
湯川の柿狩り体験
やな漁体験(吉野川)

近代遺構・産業遺産

五新線(未成線跡)(阪本線跡)
幻の五新鉄道橋脚群
五條代官所跡
旧紀州街道沿い史跡群

祭り・伝統行事関連スポット

念仏寺 陀々堂(鬼走り)
阪本天神社(阪本踊り)
天神社(惣谷)(惣谷狂言)
篠原地区(篠原踊り)
吉野川河川敷(吉野川祭り会場)
御霊神社秋祭り巡行路

季節の風景・花の名所

五條新町の桜並木
上野公園の桜
猿谷ダム周辺の花畑
西吉野地域の柿畑の紅葉風景
賀名生地区の梅・新緑・紅葉

五條市の観光の魅力

五條市は、古代から近世、そして近代に至るまでの歴史が凝縮されたまちです。寺社仏閣や城下町の町並み、南朝ゆかりの史跡に加え、山岳・渓谷・ダム湖といった雄大な自然景観が広がります。さらに、日本一の柿の産地ならではの体験や食の魅力も充実しています。

歴史探訪、自然散策、温泉、星空観察、果物狩りなど、さまざまな楽しみ方ができる五條市。訪れるたびに新しい発見がある奥深い観光地です。

四季折々に訪れたいまち

春は梅と桜、夏は川遊びと花火、秋は柿と紅葉、冬は澄んだ星空と山の静寂。五條市は季節ごとに異なる表情を見せるまちです。歴史ある町並みを歩き、豊かな自然に触れ、地域の人々の温かさに出会う旅は、きっと心に残るひとときとなるでしょう。

南和の中心都市・五條市。悠久の歴史と豊かな自然が織りなすこの地を、ぜひゆっくりと巡ってみてください。

Information

名称
五條市
(ごじょうし)

吉野・天川村・十津川

奈良県