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生蓮寺(五條市)

(しょうれんじ)

蓮の名所

奈良県五條市に位置する生蓮寺は、高野山真言宗に属する由緒ある寺院です。山号を寄足山(よらせざん)といい、古くから安産祈願や雨乞い・晴れ乞い祈祷の霊場として信仰を集めてきました。現在では、境内に咲き誇る美しい蓮の花で広く知られ、夏には多くの参拝者や観光客でにぎわいます。

創建の由来と歴史

生蓮寺の創建は、今から約1200年前の平安時代初期にさかのぼると伝えられています。嵯峨天皇の皇后が懐妊中に苦しみ、安産を願って地蔵菩薩に祈願されたことが始まりとされます。無事に皇子が誕生したことへの報謝として、地蔵菩薩像を安置したのが当寺の起源といわれています。

また、高野山を開いた弘法大師空海が高野山へ向かう途中に立ち寄ったことから、「寄足山」という山号が名付けられました。空海はここで道中の晴天を祈願されたと伝えられ、以来、生蓮寺は晴れ祈願のお寺としても親しまれています。

安産にご利益のある大地蔵菩薩

本尊は像高328センチメートルにも及ぶ大きな地蔵菩薩坐像です。永禄13年(1570年)の銘があり、長い歴史を今に伝えています。穏やかで優しいお顔立ちは訪れる人の心を和ませ、安産や子どもの健やかな成長を願う多くの方々が参拝に訪れます。

境内には「ぼけよけ地蔵」も祀られており、健やかに年齢を重ねたいという願いを込めてお参りする方も少なくありません。家族の幸せや健康を祈る場所として、地域に深く根付いています。

蓮の名所としての魅力

寺名のとおり、生蓮寺は蓮の名所としても有名です。境内では約120品種・300鉢もの蓮が育てられており、6月中旬から9月中旬にかけて次々と花を咲かせます。特に7月上旬から8月上旬が見頃で、境内一面が華やかな彩りに包まれます。

なかでも「生蓮寺白彼岸蓮」は、ここでしか見られない遅咲きの品種として知られ、訪れる人々を魅了しています。朝の澄んだ空気のなかで咲く蓮の花は、まるで極楽浄土を思わせるような幻想的な美しさです。

住職は生命科学の博士号を持つ蓮の研究者でもあり、日々研究と栽培に取り組んでいます。蓮の葉を用いた「蓮茶」の開発や、栽培方法の紹介など、蓮の魅力を広く伝える活動も行われています。

境内と文化財

本堂や山門、客殿などが静かに佇む境内は、四季折々の自然に囲まれています。梅雨から夏にかけては「てるてる坊主」が飾られ、晴天祈願の風景が広がります。大きなサルスベリの木も見どころのひとつです。

また、奈良県指定文化財である梵鐘も伝えられており、歴史ある寺院としての重みを感じさせます。

優しい表情のお地蔵様と、清らかに咲く蓮の花に包まれる生蓮寺。安産祈願や健康祈願はもちろん、心を癒やす観光スポットとしてもおすすめの名刹です。

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名称
生蓮寺(五條市)
(しょうれんじ)

吉野・天川村・十津川

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