久米寺は、奈良県橿原市久米町に位置する真言宗御室派の寺院です。山号は霊禅山で、本尊は薬師如来。聖徳太子の弟である来目皇子(くめのみこ)が開基と伝えられていますが、その詳細は不明です。また、伝説の仙人「久米仙人」による創建説もあり、『扶桑略記』や『今昔物語集』に登場する逸話が有名です。この寺は空海(弘法大師)が『大日経』を感得した場所とされ、「真言宗発祥の地」としても知られています。
久米寺の創建に関しては諸説あります。『和州久米寺流記』には、聖徳太子の弟・来目皇子が開基と伝えられていますが、他の記録では久米仙人が創建者とされています。久米仙人は空を飛ぶ仙術を得た伝説の人物で、洗濯する女性のふくらはぎに見とれて法力を失ったという有名な逸話があります。この伝説は『扶桑略記』や『今昔物語集』にも収録され、多くの人々に親しまれています。
久米寺は真言宗発祥の地とされる特別な場所です。空海(弘法大師)は、当寺の東塔で真言宗の根本経典である『大日経』を感得し、その教えを広める契機としたと伝えられています。空海が帰国後、ここで真言密教を宣布したことが、この寺が真言宗発祥の地とされる由来です。また、境内に残る瓦からは、久米寺が7世紀末(白鳳時代)にまで遡る古い歴史を持つことが確認されています。
本堂は寛文3年(1663年)に再建され、本尊である薬師如来を祀っています。この薬師如来は眼病に霊験あらたかとされ、多くの参拝者が訪れます。
多宝塔は万治2年(1659年)に京都の仁和寺から移築され、その後、1987年(昭和62年)に解体修理されて現在の位置に移されました。桃山様式を残すこの塔は重要文化財に指定されています。
境内には、仙術を修行する久米仙人の像や巨大な礎石が残る大塔跡があります。この大塔跡は、かつての東塔の跡とされ、その規模は国分寺を除けば日本最大級とされています。
久米寺では一年を通して様々な行事が執り行われています。
近鉄南大阪線「橿原神宮前駅」から徒歩でアクセス可能です。境内は自然豊かで、四季折々の風景が楽しめるため、観光にも適した場所です。
久米寺は、その歴史と伝説に彩られた由緒ある寺院です。空海との関わりや久米仙人の伝説など、多くの興味深い要素が詰まっており、奈良を訪れる際にはぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。